以前、国際バカロレアに関する本を読んで、その素晴らしさに感動しました。子ども主体で授業の流れも子どもの興味に合わせてどんどん変わっていき、学問的なことにとどまらず、人としてのあり方まで育て、世界に羽ばたく人材を育てる、というものです。また、バカロレア教育に関連して、理想のクラスの人数についても記述があります。
********************
IB教育がやってくる! 「国際バカロレア」が変える教育と日本の未来
以前、図書館でとても印象的な本を手にしました。
IB教育がやってくる! 「国際バカロレア」が変える教育と日本の未来
江里口 歡人 著
国際バカロレア、というと、
何となく、エリート教育のようなイメージを持っていましたが、
本書で知ったその教育内容は、
教科にとらわれず、
子ども主体で授業の流れも子どもの興味に合わせてどんどん変わっていき、
学問的なことにとどまらず、人としてのあり方まで育て、
世界に羽ばたく人材を育てる、
とても魅力的な教育法でした。
それに、著者の江里口先生の、
子どもを見る愛情のこもった優しいまなざしや、
既成概念にとらわれない柔軟な考え方が、
とても印象に残りました。
IBの授業は子どもの出方次第で縱橫に広がる
IBの授業の内容は(私のうろ覚えで恐縮ですが)、例えばこんな感じです。
ある日の授業、
子どもたちの対話が始まり、
最初は地球と人との関係について、
互いのイメージを出し合っていたのだけど、
段々と生物とそれに寄生する生き物の話になり、
最後は生物学の話にどっぷりはまっていく、
といった感じです。
子どもは興味を持ったことを一番良く学ぶので、
授業のデザインは子どもたちの出方によって変わっていき、
先生も子どもたちの興味に従って縱橫に分野を横断しながら、
波に乗りながら、子どもたちの世界を広げていく。
そういう印象を持ちました。
(先生は幅広い知識がないと対応できないので超大変そうです!)
また、レポートなどで自らの考えをまとめてアウトプットすることも、
重要視されているようです。
IBについては、また別の記事も書いてみたいなと思いました。
理想のクラスの人数は?
江里口先生は、
究極的には一人一人個別のアプローチをとることが理想的であるとの文脈で、
ホームスクーリングにも触れていらっしゃいました。
ただ、対話の授業など、
ある程度以上は居たほうが教育効果が高いという面もあるようで、
適正な1クラスの人数は10~25人、
という記述もあり、それもなるほど、と思いました。
そういえば、前にお伺いした教育家の先生も、
「先生1人で教えるのは10人までにしないと、ざわついてしまう。」
と何度も仰っておられました。
経済的なことを抜きに理想を言うと、
生徒10人に先生1人くらいの割合で、
子どもたちのその時その時の状態に合わせながら、
授業を進められると、良いのかも知れませんね。
これから日本でも、国際バカロレアのカリキュラムを導入する学校がどんどん増えるようです。
また、大学入試のシステムも変わります。
今までの受け身な学校教育にフィットしなかったお子さんにとって、
選択肢が増えると良い機会だろうと思っています。