アクティブラーニングって何なのか? その一種である調べ学習やPBLって簡単にいうとどんなものなのか? 2020年からの文部科学省による新しい学習指導要領で重要視されている「主体的・対話的で深い学び」を、ご家庭でも実践可能な形で導入できるようなアイデアを、これから何回かに分けて考えてみたいと思っています。第1回の今回は、アクティブ・ラーニングの種類や定義、調べ学習がおすすめの理由についてです。
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そもそもアクティブ・ラーニングや調べ学習って何?
2020年から実施される新学習指導要領では、
「主体的・対話的で深い学び」、
あるいは「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」
が重要視されるようです。
こうした学び方によって、
知識や技能だけでなく、
思考力、判断力、表現力や、
学びへのモチベーションと人間性など、
トータルで、
「社会に出て役立つ、生きる力」
をつけることが目標とされているようです。
では、アクティブラーニングって具体的にどういうものかというと、
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
とのことです。
従来の、
「先生から大勢の生徒に向けてのほぼ一方向の授業」
じゃなくて、
「生徒が自分から学びに積極的に参加して、社会に出た時に役立つ様々な能力を身につける学びの方法」
で、様々な方法が含まれるようです。調べ学習もこの一部なんですね。。
アクティブラーニングに含まれる学びの方法あれこれ
発見学習
生徒が問題の存在そのものを発見し、それを解決していく課程で学んでいく方法。まず何が課題となるかを把握して、仮説を考え、その仮説をブラッシュアップしながら検証して、さいごにまとめる、といった流れになるようです。
問題解決学習(PBL)
ここでのPBLは、Problem Based Learningの略で、何かの問題に直面することで、学びへのモチベーションを得るような学びの方法のことだそうです。生徒は、小さなグループを作って、話し合いながら、各自が情報を集めてグループに伝えたり、再度グループで話し合ったりしながら、問題の解決に向けて取り組んでいくことで、学びを深めていくとのことです。典型的な問題の例として「壊れたトースターがあります。直すかちょっとでも使えるようにしてください。」などといったことが挙げられています。
体験学習
体験学習は、ボランティアや自然体験、実験、社会科見学、行事や部活、道徳、など様々な「実際に何かを行う」学び、ということのようです。
調査学習
課題を見出してから、自ら主体的に情報を収集して、その情報を整理し、自発的に学ぶ力を養うのが調査学習かなと思います。調べ学習と大体同じ意味かと思います。
グループディスカッション
グループのみんなで、与えられたテーマについて議論して、結論へと導くこと。
グループワーク
与えられたテーマについて、グループのみんなで考えて、何かを作ったり、結論を出したりすること。グループワークでは、話し合いだけではなくて、実際に何らかのプロジェクト的な共同作業が含まれることが多いようです。
ディベート
ディベートは「公的な主題について、異なる立場に分かれて議論を交わす」討論(会)のことだそうです。ディスカッションと似ているように感じてしまいますが、政治の討論会のように、議題が公的なものであるということと、例えば賛成側と反対側といったように意見の対立が存在する点で、ディスカッションとは異なるようです。
アクティブラーニングにおける生徒のあり方はどうなるか?
「対話的で深い学び」が導入されたら、
生徒の側からすると、
机にぼ~っと座って、
居眠りしたり、落書きしたりしながら、
先生の話をなんとなく聴いてれば良い、
という感じじゃなくなって、
積極的に問題意識を持って、
周りの人たちとも話し合って、
課題を解決するために、
バリバリ主体的に「やる気」を持って行動していくことが求められて、
そうすることが深い学びにつながっていく、
ということになると思います。
確かにその方が、実際に役立つ、生きた力がつきそうですし、
良い方向性だなと思っています。
お家でもできそうなアクティブ・ラーニングの方法
上で挙げられていたアクティブラーニングの方法のうち、
大人数が必要なくて、比較的家庭でも実践しやすいものは、
発見学習、PBL、体験学習、調査学習、あたりなんじゃないかな、と思っています。
(もちろん、ディスカッションやディベートも家庭内でも、子供との対話や話し合いを多くするだけで十分取り入れていけると思います。)
我が家での状況を考えると、
一番取り入れやすそうなのは、調査学習(調べ学習)かなと思っています。
その次にPBLかなと思います。
なぜかというと、
発見学習は、テーマの選び方や、どうやって「お!!」という感動的発見に結びつくように持っていくか、
教える側(教師や親)の力量も結構だいじな気がしています。
体験学習は形態が様々です。いろいろ体験してみるのは良いことだと思うので、
普段から心がけたいですし、
我が家でもたくさんやっていますが、
日々の学びの方法論としては、ちょっとつかみどころを見つけにくいというか、
体系化が難しい気がしています。
その点、調査学習(調べ学習)だと、
方法論が絞りこみやすくて、日々実践しやすいように思っています。
PBLは小グループを作って話し合いをする点では、
きょうだいの居ない我が家では、ママと二人になってしまうのでちょっと寂しいところですが、
問題を見つけて解決する、
というスタイルは十分取り入れられると思っています。
これから何回かにわたって、
まずは調べ学習の実践例について、
その次にPBLについて、
できるだけ対話(話し合い)の要素を盛り込みつつ、
お家でできそうな方法を少しずつ考えていきたいと思っています。