中学校卒業程度認定試験(中卒認定)、という試験があるのをご存知でしょうか? この試験を受験して合格すると、高校の受験資格が得られます。今年は出願期間が8月20日~9月7日だそうです。この試験は、もしかしたら不登校生に救いをもたらす画期的な試験になり得るのではないでしょうか? 受験資格は教育委員会等に要問合せですが、ぜひ生徒の進路を開くことを第一に、柔軟な運用をして頂けるようにと願っています。
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不登校生は内申点が低めについてしまう
私は中学三年生の家庭教師も何人かやらせて頂いていますが、
不登校扱いでホームスクーリングをされている場合、
中学校で定期試験をきちんと受け、ほぼ満点を取り、
提出物も全部きっちり出していても、
十分に評価されず、
「え?!」
と思うような成績がついてしまうケースが多々ありました。
中学校三年生というと、将来の進路や、高校受験のプレッシャーがたくさんのしかかってくるとっても大変な学年です。
ただでさえ不登校と言われて様々なプレッシャーを抱えている中で、
ともすると
「人生どうでもいいや」
と言い出すお子さんもいらっしゃる中、
生徒さんとも親御さんともたくさん話し合い、
将来の希望を見出して、
「高校受験してみよう!」
という話になり、
学びにも積極的に取り組んで、
とうとう中学校の定期テストでほぼ満点を連発した生徒さんもいらっしゃいました。
「すごいすごい!!!」
と喜んでいたところに、
返ってきた成績表は5段階評価の1~3ばかり、
ということもありました。。
そんな時、お子さんは本当に傷ついて、
目も当てられないほどやる気をなくしてしまって、
私も本当に辛い思いをすることがあります。
よくあるケースのようですが、
どうにかならないものでしょうか??
現状、高校に進学しようとすると、
中学校からの内申書が必要な場合がほとんどです。
これでは、せっかく希望をもって新たな進路へと進もうとしても、
一旦不登校になってしまうと、
もう希望の進路は選べなくなってしまいます。。
中学校卒業程度認定試験に合格すれば、高校の受験資格が得られる!
文部科学省のホームページに
という試験に関するページがあります。
このホームページによると、
中学校卒業程度認定試験(中卒認定)とは
中学校卒業程度認定試験とは、学校教育法第十八条の規定により、病気などやむを得ない事由によって保護者が義務教育諸学校に就学させる義務を猶予又は免除された子等に対して、中学校卒業程度の学力があるかどうかを認定するために国が行う試験であり、合格した者には高等学校の入学資格が与えられます。
◆今年の出願期間は、平成30年8月20日(月曜日)~9月7日(金曜日)まで
[平成30年9月7日(金曜日)の消印有効]
◆試験日は、平成30年10月25日(木曜日)
◆結果発表は、平成30年12月3日(月曜日)発送予定
だそうです。
詳しくは上のリンクからご覧になってみてください。
従来の学校制度に縛られる必要はないと思いますが、希望の進路は選べるようにと願っています。
現状の日本では、いわゆる一条校にきちんと通っていないと、
進路の選択幅が狭くなってしまう、
という状況があるようです。
一度「学校」という場から離れてしまうと、
そこに戻るのはただでさえ難しいです。
オルタナティブな教育を選ぶことができる人ばかりではありません。
それに、フリースクールなどのオルタナティブな選択肢を取ったとしても、
その後の進路に関して、特に公立の高校に通うなどの選択肢は、
上でお話ししたような状況で、
内申書の点数が十分つかないため、
希望の高校に進めない、ということが往々にして起こります。
不登校生の中には、目も覚めるような天才性を秘めたお子さんもたくさんおり、社交的で明るい子もたくさんいます。
いじめなどの聞くに堪えない事情でホームスクーリングをされているケースもありますが、
トップレベルの高校に進学を希望している場合も多々あります。
例えば、お医者さんになりたい、といった希望を叶えるためには、
現状の教育システムに戻っていく方が良い場合もあります。
高校に進学して環境が変わって、元気に楽しく過ごしている子もたくさんいます。
もちろん、色々な進路があって良いですし、
通信制高校などに進学して医学部などを受験することも可能だと思います。
ただ、せっかくやる気を出して本当に頑張ったお子さんの成績が、
十分に評価されず、
内申書の点数によって、実力より評価が低くなってしまい、希望の進路が閉ざされてしまう、というケースを見るのは、
本当に辛いです。。
文科省の中卒認定試験の門戸が、不登校生、ホームスクーラー、国内のオルタナティブスクール生に広く開かれて、この制度が活用され、
みんなが才能を生かして、希望の進路に進めるようになることを、
切に願ってやみません。
どうか、子供達の進路を最優先に、この試験が希望の進路を叶える救いの一つとなりますように、心から願っています。